複数の業者に見積依頼をする場合のポイント
神社やお寺を建て替えるときに、心から信頼できる建築会社や工務店が見つかった場合には、その業者だけに見積を依頼して、工事契約を交わすのも良いと思います。
しかし「念には念を」です。他とも比較検討してみたいと思うなら、ぜひ複数の業者に見積を依頼してください。
複数の業者に見積をとるメリット
もし、信頼できる建築会社や工務店に建て替えや修理を依頼をするとしても、可能であれば複数の業者から見積をとって頂きたいと思います。
相見積もりをするメリットは、業者選びに「公平性」が出ることです。公共工事などで、いわゆる「入札」という形で複数の業者に見積をとるのと同じで、特定の業者が「言い値」で工事を受注することがないようにするのが目的です。
信頼できる業者が見つかった場合、寄付者や建設委員の皆様を説得するために、複数の見積をとって、その業者の正当性を証明することもできます。
また、身内や縁者などから紹介を受けた業者に見積を依頼する場合、人間関係が濃密なために、見積金額が適正かどうかをドライに判断しづらくなったり、意見が言いにくくなってしまうことがあります。
これを防ぐために、「入札にする」と決めて公平性を担保するのも効果的です。
複数の見積もりを比較する場合に大切なこと
複数の業者に見積をとる場合に、とても大切なことがあります。それは、最初の動機にしたがって、見積の「基準」になる工事計画を決定しておくことです。
工事計画が決まっていないと、各社が独自に、さまざまな工事計画を作って、それをもとに積算することになります。しかしそれでは、各社の金額を比較する「基準」もなく、見積金額の正当性を判断できなくなってしまいます。
ですから、以前のコラム「神社・お寺を建て替える「動機」をはっきりさせるメリット」で述べたように、「○○だから、○○するんだ」という動機の部分を明確にしてください。
工事計画を立てるための三つのステップ
次に、動機に基づいた工事計画を立てます。工事計画と言っても、難しく考える必要はありません。次の三つのことについて決めていただければ大丈夫です。
- 〈ステップ1〉 修理なのか、新築なのかを明確にする。
- 〈ステップ2〉 既存の建物がある場合、その建物を基準にして、どのようにしたいのか決める。(建坪を大きくする、小さくする。/ 装飾などを豪華にする、簡略化する など)
- 〈ステップ3〉 業者への伝え忘れを防ぐため、普段の使い勝手のことや、独自の歴史的事情など、細かい希望でも紙に書き出して整理しておく。
工事計画はとても大切なことですので、次のコラムにて詳しくご説明いたします。