創業50年神社仏閣設計施工 織戸社寺工務所日本の美と匠の技を未来に傳える

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秩父夜祭で学んだ宮大工の「先人の技」

宮大工の修行時代に学んだこと

私が秩父での修業時代に学んだことは、以前の記事「宮大工の本当の仕事とは?私が秩父夜祭から学んだこと」で述べた「祭りの文化」の他にもう一つあります。

それは、「伝統の技術」です。

私が勤めていた社寺工務店では、新築の仕事は少なく、文化財の指定を受けている社寺建築やそれに匹敵するような立派な社寺建築・古民家の解体修理の仕事がほとんどでした。

そのおかげで、見たこともないような難しい細工や、ベテランの宮大工も首をかしげるような継手など、昔の名工たちの見事な仕事を、実物を通して学ぶことができました。

また、秩父は「三十四か所 札所巡り」でも有名です。それらの寺院の修繕や新築工事にも携わってきました。

さらには、秩父夜祭の山車(だし)は、国の文化財にも指定されていますが、それらの山車の修理にも関わった事があります。古くから、秩父夜祭りに触れてきた地元の宮大工は、先祖から大切に守られてきた山車のメンテナンスを定期的に行うことで、高い技術を維持してきたのかもしれません。

わずか五年間ですが、この秩父での修業期間に、宮大工として、本当に稀有な経験をさせていただき、貴重な技術を習得することができました。

「宮大工は社寺建築専門の仕事をするための特殊な大工である」という事がお分かりいただけると思います。

宮大工の修行期間

さて、宮大工の修行についてですが、若いころの修行期間で終了ではありません。その後も日々に学び、成長していくことこそが大切だと思います。

世には「最後の宮大工」とも言われた西岡棟梁やその一番弟子である小川棟梁、その他にも多くの立派な宮大工たちがお手本となるような仕事をされています。

先人たちに比べれば私も、まだまだ「修行中」です。私が宮大工である限り、技術や知識の習得に終わりはないのだと肝に銘じ、これからも、怠ることなく日々研鑽してまいります。

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